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「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」  メロスは口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。

小夜/SAYO

 竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。

ナースロボ_タイプT

メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯き、メロスをひしと抱きしめた。

青山龍星

友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。

No.7

 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。

猫使ビィ

メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。

ずんだもん

よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。

WhiteCUL

「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。

猫使アル

「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」  妹は頬をあからめた。

猫使アル

「うれしいか。綺麗な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」

雨晴はう

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