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赤いまんまでのっと落ちて行った。一つと自分は勘定した。

剣崎雌雄

 しばらくするとまた唐紅の天道てんとうがのそりと上って来た。そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。

栗田まろん

 自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。

†聖騎士 紅桜†

勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。それでも百年がまだ来ない。

雀松朱司

しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。

猫使アル

 すると石の下から斜はすに自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。

冥鳴ひまり

見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。

春日部つむぎ

と思うと、すらりと揺らぐ茎の頂に、心持首を傾かたぶけていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁はなびらを開いた。

後鬼

真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。

雨晴はう

そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。

雀松朱司

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