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このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。

春歌ナナ

御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」  聞いて、メロスは激怒した。

波音リツ

「呆れた王だ。生かして置けぬ。」  メロスは、単純な男であった。

No.7

買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。

冥鳴ひまり

調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。

ナースロボ_タイプT

「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以て問いつめた。

琴詠ニア

その王の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。 「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。

猫使アル

「おまえがか?」王は、憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」

青山龍星

「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁した。

No.7

「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」

満別花丸

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