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爺さんは時々「今になる」と云ったり、「蛇になる」と云ったりして歩いて行く。

栗田まろん

しまいには、 「今になる、蛇になる、   きっとなる、笛が鳴る、」 と唄いながら、とうとう河の岸へ出た。

波音リツ

橋も舟もないから、ここで休んで箱の中の蛇を見せるだろうと思っていると、爺さんはざぶざぶ河の中へ這入はいり出した。

春歌ナナ

始めは膝くらいの深さであったが、だんだん腰から、胸の方まで水に浸つかって見えなくなる。

櫻歌ミコ

それでも爺さんは 「深くなる、夜になる、真直になる」 と唄いながら、どこまでも真直に歩いて行った。

栗田まろん

そうして髯も顔も頭も頭巾もまるで見えなくなってしまった。

ナースロボ_タイプT

自分は爺さんが向岸へ上がった時に、蛇を見せるだろうと思って、蘆あしの鳴る所に立って、たった一人いつまでも待っていた。けれども爺さんは、とうとう上がって来なかった。

後鬼

第五夜 こんな夢を見た。

剣崎雌雄

何でもよほど古い事で、神代かみよに近い昔と思われるが、自分が軍いくさをして運悪く敗北まけたために、生擒いけどりになって、敵の大将の前に引き据えられた。

青山龍星

その頃の人はみんな背が高かった。そうして、みんな長い髯を生はやしていた。

雨晴はう

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